Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゃくしょこくばなし
新釈諸国噺
Lesen Sie 新釈諸国噺 (しんしゃくしょこくばなし) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.562 Zeichen · 179 Bildschirme
小さい。家が小さいからって遠慮しなくたっていいでしょう。何も縁起ものだ。もっと大きいのを買ったらどう?」と軽く言って、一歩金一つ、婆の膝の上に投げてやった。
婆は先刻から、にこにこ笑ってこの男の話に相槌を打っていたが、心の中で思うよう、さてさて馬鹿な男だ、よくもまあそんな大嘘がつけたものだ、お客の口先を真に受けて私たちの商売が出来るものか。酔狂のお旦那がわざと台所口からはいって来て、私たちをまごつかせて喜ぶという事も無いわけではないが、眼つきが違いますよ。さっき、台所口から覗いたお前さんの眼つきは、まるで、とがにんの眼つきだった。借金取りに追われて来たのさ。毎年、大晦日になると、こんなお客が二、三人あるんだ。世間には、似たものがたくさんある。玉虫色のお羽織に白柄の脇差、知らぬ人が見たらお歴々と思うかも知れないが、この婆の目から見ると無用の小細工。おおかた十五も年上の老い女房をわずかの持参金を目当てにもらい、その金もすぐ使い果し、ぶよぶよ太って白髪頭の女房が横坐りに坐って鼻の頭に汗を掻きながら晩酌の相手もすさまじく、稼ぎに身がはいらず質八置いて、もったいなくも母親には、黒米の碓をふませて、弟には煮豆売りに歩かせ、売れ残りの酸くなった煮豆は一家のお惣菜、それも母御の婆さまが食べすぎると言って夫婦でじろりと睨む