Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゃくしょこくばなし
新釈諸国噺
Lesen Sie 新釈諸国噺 (しんしゃくしょこくばなし) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.562 Zeichen · 179 Bildschirme
「おい、おい、無茶をするな。」鰐口もさすがに才兵衛の怪力に呆れて、こんなものを永く相手にしていると、どんな事になるかもわからぬと思い、縁側にあがってさっさと着物を着込んで、「小僧、酒でも飲んで行け。」と懐柔の策に出た。
才兵衛は松の木を引き抜いて目よりも高く差し上げ、ふと座敷の方を見ると、鰐口が座敷で笑いながらお酒を飲んでいるので、ぎょっとして、これは鬼神に違いないと幼く思い込み、松の木も何も投げ捨て庭先に平伏し、わあと大声を挙げて泣いて弟子にしてくれよと懇願した。
才兵衛は鰐口を神様の如くあがめて、その翌日から四十八手の伝授にあずかり、もともと無双の大力ゆえ、その進歩は目ざましく、教える鰐口にも張合いが出て来るし、それにもまして、才兵衛はただもう天にも昇る思いで、うれしくてたまらず、寝ても覚めても、四十八手、四十八手、あすはどの手で投げてやろうと寝返り打って寝言を言い、その熱心が摩利支天にも通じたか、なかなかの角力上手になって、もはや師匠の鰐口も、もてあまし気味になり、弟子に投げられるのも恰好が悪く馬鹿々々しいと思い、或る日もっともらしい顔をして、汝も、もう一人前の角力取りになった、その心掛けを忘れるな、とわけのわからぬ訓戒を垂れ、ついては汝に荒磯という名を与える、もう来るな、と言っていそいで敬遠して