Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゃくしょこくばなし
新釈諸国噺
Lesen Sie 新釈諸国噺 (しんしゃくしょこくばなし) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.562 Zeichen · 179 Bildschirme
お前の好きな土地に、お前の気ままの立派なお屋敷をこしらえてあげましょう。そうして、あたしのほうから、米、油、味噌、塩、醤油、薪炭、四季折々のお二人の着換え、何でもとどけて、お金だって、ほしいだけ送ってあげるし、その女のひと一人だけで淋しいならば、お妾を京からもう二、三人呼び奇せて、その他、振袖のわかい腰元三人、それから中居、茶の間、御物縫いの女、それから下働きのおさんどん二人、お小姓二人、小坊主一人、あんま取の座頭一人、御酒の相手に歌うたいの伝右衛門、御料理番一人、駕籠かき二人、御草履取大小二人、手代一人、まあざっと、これくらいつけてあげるつもりですから、悪い事は言わない、まあ花見がてらに、――」と懸命に説けば、
「上方へは、いちど行ってみたいと思っていました。」と気軽に言うので、母はよろこび膝をすすめ、
「お前さえその気になってくれたら、あとはもう、立派なお屋敷をつくって、お妾でも腰元でも、あんま取の座頭でも、――」
「そんなのはつまらない。上方には黒獅子という強い大関がいるそうです。なんとかしてその黒獅子を土俵の砂に埋めて、――」
「ま、なんて情無い事を考えているのです。