Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゃくしょこくばなし
新釈諸国噺
Lesen Sie 新釈諸国噺 (しんしゃくしょこくばなし) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.562 Zeichen · 179 Bildschirme
桶をかついでお出掛けなさい、出来ないでしょう、なんだいそんな裏だか表だかわからないような顔をして、鏡をのぞき込んでにっこり笑ったりして、ああ、きたない、そんな事をするひまがあったら鼻毛でも剪んだらどう? 伸びていますよ、くやしかったら肥桶をかついで、」とうるさい事、うるさい事。かねて、こんな時にこそ焼きもちを焼いてもらうために望んでめとった女房ではあったが、さて、実際こんな工合いに騒がしく悋気を起されてみると、あまりいい気持のものでない。養父母の気にいられようと思って、悋気の強い女房こそ所望でございます、などと分別顔して言い出したばかりに、これは、とんでもない事になった、と今はひそかに後悔した。ぶん殴ってやろうかとも思うのだが、隠居座敷の老夫婦は、嫁の悋気がはじまるともう嬉しくてたまらないらしく、老夫婦とも母屋まで這い出して来て、うふふと笑いながら、まあまあ、などといい加減な仲裁をして、そうして惚れ惚れと嫁の顔を眺める仕末なので、ぶん殴るわけにもいかず、さりとて、肥桶をかついで遊びに出掛けるのも馬鹿々々しく思われ、腹いせに銭湯に出かけて、眼まいがするほど永く湯槽にひたって、よろめいて出て、世の中にお湯銭くらい安いものはない、今夜あそびに出掛けたら、どうしたって一両失う、お湯に酔うのも茶屋酒に酔うのも結局