Japanische Klassiker mit Furigana
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たびへのいざない
旅への誘い
織田 作之助
Lesen Sie 旅への誘い (たびへのいざない) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.734 Zeichen · 12 Bildschirme
を待ちわびた。
合格の通知が郵便で配達されたのは、三日のちの朝であった。ところが、その通知と一緒に、田中喜美子様と、亡き姉に宛てた手紙が、ひょっこり配達されていた。アパートの中庭では、もう木犀の花が匂っていた。
死んでしまった姉に思いがけなく手紙が舞い込んで来るなど、まるで嘘のような気がした。姉が死んだのは、忘れもしない生国魂神社の宵宮の暑い日であったが、もう木犀の匂うこんな季節になったのかと、姉の死がまた熱く胸にきて、道子は涙を新たにした。
やがて涙を拭いて、封筒の裏を見ると、佐藤正助とある。思いがけず男の人からの手紙であった。道子は何か胸が騒いだ。
道子が姉のもとへ帰ってから、もう半年以上にもなるが、つひぞこれ迄男の人から姉の所へ見舞いの手紙も、またくやみの手紙も来たことはなく、それが姉のさびしく清潔な生涯を悲しく裏書しているようで、道子はふっとせつなかったが、しかし姉が死んで三月も経った今、手紙を寄越して来たこの佐藤正助という人は一体誰だろうと、好奇心が起るというより、むしろ淋しかった。
随分永らく御無沙汰して申訳ありません。僕も愈よ来年は大学を卒業するというところまで漕ぎつけましたが、それに先立って、学徒海鷲を志願し、近く学窓を飛び立つことになりました。