Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たびやくしゃのつまより

旅役者の妻より

矢田 津世子

Lesen Sie 旅役者の妻より (たびやくしゃのつまより) von 矢田 津世子 (やだつせこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.566 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

ぬ、と歎けば、良人は、縁あればこそ子も生れるのだ、犬猫でさえ何んとか育てていくではないか、また、生んだ時は生んだで何んとかなるだろうから、くよくよ案じるな、と力づけてはくれますが日増しに重くなる身で再び旅から旅へのさすらいとは……ああ、あね様、何やかや考えるとこの身の置きどころもないように思われ、心細くて心細くてなりません。

実は、尾形家に居ります内にも一本葉書なりと差上げるつもりでありましたが、他家にいる身にはまるでくくられているようで、御飯の時以外には体の休む時はなくたよりひとつ書けず、良人は良人とて牡丹刷毛はもてど筆もつすべは知らず、ついつい明日は明日はとのびのびになり加様に御無沙汰いたせし次第何卒々々おゆるし下され度、ねがいあげ候。

鶴江の育つをみるにつけ、菊ちゃんもさぞ大きくなられたであろうと存じますが、おかわりもありませんか。またあなた様のことは時折り夢にさえみ、あの黒髪のゆたかさなど懐しくしのんで居ります。岡村へはあのままたよりもいたしませず、余りの御無沙汰に、今日はこのあとに一本書いて出すつもりで居りますが、あね様からもおついでの時くれぐれも宜しく、伊助の写真でもありますならどんなに小さいのでもよろしいから一枚送って下さるよう、おねがい申して下さいませ。