Japanische Klassiker mit Furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme
すると、食堂での騒ぎは間もなく甲板の上へ崩れて行ってそこで踊りとなって来た。
二等の甲板の方からも踊りの出来るものはやって来て一緒に踊った。真紀子はフランス人と初めは踊り、次ぎにはいつものパーティでよく顔を会す踊りの巧い、美貌の中国人の高有明という青年と踊った。久慈は千鶴子と組んだ。彼は快活な性質であったから外人たちより踊りが自由で上手かった。
矢代は踊っている久慈の姿を見ていると、パリへ行ってもこの人と友人になっていれば、定めし日日が愉快に過せるであろうと思うのだった。ところがそのとき急に踊り見物の一角が賑やかな騒ぎになった。いつも物云うこともない静かな三島と云う機械技師が酒の酔いが出たものと見え、いきなり隣りの外人の婦人の肩を親しそうに叩きながら靴を脱げと云い出した。日ごろの音無しい三島を知っているものらは転げるように笑い出すと、また誰彼かまわず肩を叩き廻って靴を脱がそうとしたが、やがてそれも余興の一つとなると踊りは一層甲板で賑った。
「じゃ、わしも一つ、踊ろうか。」
と、老人の沖氏は立ち上って、高と踊り終えたばかりの真紀子にまた申し込んだ。この船会社の重役は船客たちの中で一番年長者であり、自分で自ら、「私は不良老年で、」