Japanische Klassiker mit Furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme
「つまり、サロンを落すのが仕事なんですか。あの人たち。」
「そうなの。ですから、あの方たち、日本人に不平を云ってらっしゃるのはね、日本人が大使館員を冷淡だと怒ったってこっちはそれどころじゃない、一つサロンを落すのだって、城を落すようなもので、疲れて疲れて溜らないってこぼしてらっしゃるのよ。あたしも、無理がないと思いましたわ。」
「それや、そうだな、日本人の心配を引き受けるのは領事の方の仕事だから、日本人のサービスまでいちいちしておられないだろうからな。」
「それに言葉だって、モンパルナスあたりの言葉を一寸でもサロンで使おうものなら、もう相手にしてくれないんですって。ですから、言葉が自由になればなるほど、一層自分の言葉の欠点が分って不安になるので、それで神経衰弱になるんだと仰言ってたわ。」
「ふむふむ。」
と矢代は一一もっともと頷いて聞いていた。これで眼にするパリのさまざまなものに感動するだけだって、相当激しい労働だと矢代には思われるのに、まして遊んで城を落さねばならぬとなると、その苦心は察するに難くはなかった。
「洋服なんかあなた困りませんか。」
「それは困るわ。