Japanische Klassiker mit Furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme
二・二六というのはわたしらは見なかったけれども、あの話の模様じゃ、ひと通りの風模様じゃありませんぜ。外国人もみな驚いてますね。日本というところはドラゴンが政治を動かしているそうだが、今度は竜が跳ねたのかといいよる。」
沖の云うのに三島はドイツで聞いたのだと云って、まるで戦場のような空気の漲っている東京市中の話をした。嘘か真事か一同には分り難かったが、話半分にしても市民の狼狽した話などを聞かされると、日本に吹きつけている不連続線はヨーロッパどころの風ではなさそうに久慈には思われた。
「僕らはまだ若いから分らないのかもしれないが、どうですか沖さん、青年がこんなに沢山考え事をしなくちゃならぬ時代なんて、今までにありましたかね。」
「いや、こんなことは明治以来初めてですな。今までにも大事件は幾つもあったけれど、考えの範囲が狭かったから物事をするのにも熱情がありましたよ。しかし、このごろのは何が何んだか分らない。どうして良いのか見当がつかぬのですよ。明治以来駈け足をしすぎて、心臓が飛び出たのだ。」
沖の云い方に一同どっと笑ったものの、それぞれ胸倉をひっ掴まれたように急に黙ると沈み込んで羊を切った。