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Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

「美しいところだなここは。こんな美しいところでももうパリの人間は、ここに美しさを感じなくなってるんだから、感覚の変化というものは恐ろしいものだ。」

ふと矢代はそう云ってしまってから、思わず千鶴子の頭に響かせた別の恐ろしさをはっと考え、我知らずに出た言葉を呪い押し込めたくなるのだった。全くまアいわば幸福のある状態に達している二人の間へ、やがて麻痺していく男女の感覚の行方を、今から予想させるとは不届至極だと矢代は思った。しかし、自分はもうこれ以上のことを二人の間で望むべきでないと思い、またそのようなことを望むなら、今はそれさえ達せられるだろう幾らかの己惚れさえあったが、恐らくこんなときには、誰でもそのような男女の頂上の望みを持つに定っているからには、その胸のどきどきとするあの羞らいだけは、せめて千鶴子にだけさらけ出したくはないのだった。そんなことは、下劣なことだと別に矢代は思わなかったが、どんなに巧妙な理窟があろうとも、相手の婦人に窮地に飛び込むことを要求しているのに間違いはないのであってみれば、せめてやむなくなるまでは、一層彼はその行為を心中認めたくはないある心が抜けきれなかった。