Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

真紀子の電話したとき高は家にいなかったから、宿の者の伝言で出て来た高にちがいなかったが、ここに自分のいることも一応は知って出て来たのかどうか久慈には分らなかった。

「ゆうべ矢代があなたにお会いしたとか云ってましたから、それじゃこちらにいらっしゃるとき一度と思いまして、それでお呼び立てしたようなわけです。こちらにはお友達が多いんですか。」

「少しおります。」

高はこのような簡単な返事をするときでも、頭に閊えることが群りよるらしく、ぱッと赧らんだ顔の中から眼がきらきらと強く冴えた。

「あたしフランス語が下手なものですから、高さんにお言伝したの通じないんじゃないかと、心配しておりましたの。でも、良うござんしたわ。昨夜はいろいろ御面倒おかけしまして、――ほんとに久しぶりですのよ。あんな面白い遊びさせていただいたの。」

「僕らの踊りは下手だからな。」

と久慈は皮肉のつもりもなく云った。

「そうよ。久慈さんなんか踊りにもまだ連れてって下さらないんですもの。高さんのはそれやお上手よ。今度またお願いしますわ。あたし下手でお邪魔かしれないけど。」

こう真紀子が云っているときまたドアを叩く音がした。