Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme
」
「いや愛国心に理窟はない。中国のインテリの誤りは理窟で抗日抗日ということだよ、抗日抗日と云われれば、そんならよしッとこっちは肚を定める。一ヵ所で肚を定めれば、どこもかしこも戦争だ。そんなときに合理的愛国心だから人を殺さぬの、殺すのといったところで、むかしより合理的ならもっと殺す、非合理なら寛仁大度という非合理の見本みたいなもので、サイン一つでうまく片づく。とにかく僕は合理的愛国心なんて不合理も甚だしいと思うね。そのくせ誰だって愛国心だけは持っているのだ。」
「愛国心というのは人前で云っちゃ一層不合理になるばかりだから、今夜はやめよう。高さんに気の毒だよ。」
久慈は高のコップにウィスキーを満してから、「今夜はお呼び立てしといてどうも。」と矢代の失態を詫びるつもりで高の方に会釈した。
「面白かったですよ。僕らにも問題ですから、僕ももっと考えておきます。」
と高は云うと矢代の方を見て、
「矢代さんは雄弁家ですね。僕はあなたの非合理のお説もよく分りましたが、中国の一般の人間は自分に必要のないことは一切考えませんから、愛国心というものがないのですよ。それに長い間中国では軍閥というものが民心を荒しつづけましたから、これから逃げ廻ることばかり考えるのに急がしくって、愛国心からも一緒に逃げる練習も出来たのですね。