Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

日本の方では封建制度が完全に行われていたから、大名が変っても民衆は逃げる要がなかったでしょう。それが愛国心の強い原因で、また兵も強いのじゃないかと思いますね。中国はやはり、愛国心の満ちて来るまで抗日はやめられないんだと思います。」

特に深い云い方ではなかったが、しかし、高の答えは誰から聞かれていても安全な答えだと久慈は思った。それに皮肉も考えればうっすらと混じっている。

「愛国心が満ちたらなお抗日が激しくなりはしませんか。」と矢代は訊ねた。

「ところが、中国は自分から他国へ手を出すよりも、他国に自分の国を譲ることの方がむかしから上手な国ですから、やはりいつでも譲っておくだろうと思います。その方が政府は安全ですからね。」

高の言葉に第一番に声を上げて笑い出したのは真紀子だった。皆な同時に真紀子を見た。眼の縁をぽッと桜色に染めた真紀子はうるんだ瞼を眠むそうに開け、何がおかしいのかひとり倒れんばかりにげらげらと笑った。久慈は急に腹立しくなって真紀子を睨んだ。見るともなく久慈の視線を感じたらしい真紀子は彼から眼を反らし、

「だって、そんな面白いお話はないわ。おお面白い。