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Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

沖や医者や真紀子などから来る便りは明らさまに話す久慈だのに、千鶴子のことだけ話さぬ久慈の気持ちを矢代は想像すると、アンリエットとの間にもうこれで何事か進行しているものがあるのではなかろうかと思ったりした。

「千鶴子さんが来たら、宿をどこにしたものだろう。」

ロンドンから千鶴子がいよいよ来るというときに、こういう心配を久慈が矢代にもらすのも、勿論そこにアンリエットの影のあるのを矢代は感じた。彼はいつもに似合わず沈み込んでいる久慈を見て云ってみた。

「君が千鶴子さんの世話をするのが困るなら、僕がしたってかまわないよ。」

「そうか、迷惑じゃなかったら君に頼みたいね。僕は千鶴子さんと別にどうと云ったわけじゃないんだが、船の中であんなに親切にしておいて、今になってがらりと手を変えるようじゃ、あんまり失礼だからね。」

久慈は急に気軽くなった調子で矢代を見た。

「君がいいんなら、僕が世話するよ。」

「それで安心だ。僕はね、千鶴子さんが嫌いじゃないんだが、今は日本人は君だけで結構なんだ。この上日本人と交際しちゃ、また言葉が日本語に舞い戻ってしまうからな。」

矢代は久慈がパリへ著いて以来、性急に外人らしくなることに専念している様子を見るのは、今に始まったことではなかったが、何となくその心の持ち方が田舎者らしく感じられ、その度びに矢代