Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

は久慈に突っかかっていきたくなる自分だと思った。

「君、夕飯にアンリエットを呼んでも良いだろう。今夜は僕が御馳走するからね。」

久慈の云うままに二人はサン・ミシェルまで来ると、左のノートル・ダムを背にしてパンテオンの方へ上っていった。

サン・ミシェルの坂を左に曲った所にイタリア軒という料理屋がある。前から久慈はここの伊太利料理を好んでいたのでこの夜の晩餐もここにした。久慈が途中でアンリエットに電話を通じておいたから、矢代とアッペリティフを飲んでいる間にアンリエットは薄茶のスーツに狐の毛皮を巻いて這入って来た。久慈は彼女に椅子をすすめながら、

「今夜二人で踊りに行こうという約束があるんでね、君、御飯を食べたら、遠慮してくれ給え。」

と矢代に云ってメニューを見た。

「矢代君、君は何にする。またプウレオウリか。アンリエットさん、あなたはよろしく頼みますよ。」

羊の肉の薄焼に雛の肩肉と、フロマージュ付きのスパゲッティ、それにサラダを註文して三人は葡萄酒を飲んだ。ここの料理屋にはポール・フォールという詩人がよく来ているので、料理通には有名だったが、久慈も矢代もまだ一度もその詩人を見たことがなかった。