Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

「あの巴里祭のとき、君が殴られながら撮った写真、あれどうしました。」

「そうそう、あれはうまく撮れてた。引き伸して送りますよ。あの時は、まったく偶然なチャンスにぶつかったが、その代りに頭が割れそうだった。痛い痛い。」

いつも巴里祭の話になると、顔中ぽっと紅をさす塩野の癖がまた出かかったと思うと、突然彼は話を換え急に馴れ馴れしい、一種頓狂な薄笑いを泛べた眼つきをして、

「あなた、氷河の写真入用ならありますよ。僕あなたと別れてから、またチロルへ行ったんですよ。あなたの渡ったあの氷河が忘れられないものだから、日本へ帰る前に何んとかしてもう一度と思って、とうとうまた行って来た。いいなアあそこは。」

「行ったんですか。」

矢代は不意に虚を突かれた形で妙に胸が高鳴りをつづけた。暫く赧らみの面に噴きのぼって来そうな予感のまま、彼は氷河の厚い量層を眼に泛べるのだった。

「あそこの羊飼の唄ね、あのレコードも手に入れたから、この次ぎ持って来ましょう。大石と二人で行ったんだが、大石はあれからスイスの公使付に替って、まだあそこにいますよ。千鶴子さんの兄貴も、あそこの唄のレコード欲しがってるんで、持って行ってやらなくちゃ。