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Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

勘定をすませてから三人はルクサンブールの外郭を黙って鉄柵に添って左の方へ廻っていった。意地に意地を張り合う二人の言葉だとどちらにも分っていながらも、しかし、この久慈という聡明で高級な日本人に、どうしてこのような馬鹿な心がひそんでいるのかこれが矢代にとって何より残念でたまらぬ日本だった。

「知識というものはたしかに人間を馬鹿にするところもあるんだね。へとへとにさせて阿呆以上だ。僕のパリへ来た土産はそれだけだ。こんな所へ来て嬉しがってる人間は、まア、嬉しがるような、お芽出度いところがあるんだな。」

と矢代は一度は突き衝らねば承知の出来ない胸突くものが、体内でごとごと鳴るのを感じて云った。

「それじゃ、早く帰ればいいじゃないか。」

久慈は嘲けるように笑った。

「帰ろうと帰るまいと、僕の勝手だよ。僕は人間というものが、どこまで馬鹿になるものか、も少し見てやろうと思ってるんだ。」

「何を君は怒ってるんだ。君は日本にもう一度、丁髷と裃を著せたくてしょうがないんだよ。」

「そんなことは君の知ったことじゃないよ。君はパリの丁髷と裃とを著てれば、文句はないじゃないか。」

「日本の丁髷よりや、パリの丁髷の方がまだいいや。