Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

このイという字とウという字とを大昔は石にして、勿論古代文字ですが、どこの国へも一つずつ神社の御本体として祭らせたのですね。ところが、淫らな形をしているという理由で、淫祠だなどと云って、引っこ抜いてしまったのです。『イウ』という、この二つの言霊の根本を引っこ抜いたものだから、さあそれからは日本が大変だ。しかし、日本人は困り出すと、何んのことだか分らずとも、エッといって、元気になって何んだってやっちまう。これが生という愛情ですよ。僕のお祈りも、まア簡単に云えばそんなものですが、今度は一つあなたのお祈りを聞かして下さい。」

と矢代は千鶴子を見て云った。千鶴子は何か云いかけようとして、やはり言葉を反らせた。

「あたしのは紙へ書いて、明日帰るときお渡ししましてよ。長いんですもの。でも、あなたの仰言ることだと、あたしにも古神道はあるんだと思って安心出来ましたわ。今夜はほんとに良いお話承って良かった。」

千鶴子は気晴れのした手つきでお茶を淹れ、矢代の前に出した。しかし、槙三だけは食事が終ってからまだひとりにやにや笑ってばかりいた。

「しかし、さっき仰言ったようなことで、近代人が満足出来るものですかね。