Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

」

と歎声を洩らして笑った。

この遊部は資生堂の画廊へ昼間来ていた藤尾みち子と結婚して外国へ二人で行ったのだが、帰るとすぐ二人は別れてしまった。

食事前のアッペリティフが皆の前に出たころ、婦人たちが遅れて這入って来た。千鶴子もそのとき藤尾と並び男の客たちから少し離れた椅子にかけた。

「久木さんお幾つですか。年より若くお見えじゃないですか。」

と由吉が訊ねた。

「わたしは丁度赤い襯衣を着る年ですが、芸術が好きだから一向に年をとらんのですね。やはり芸術というものは、経済よりも良いものだということが、このごろやっと分って来ました。わたしは外国にいるころから、自分の代になったときの事を考えて、そっと自分の弟子たちに金を遣わせて将来に備えて置きましたが、自分の代になったとき、そのものらに仕事を全部まかせてしまったものですから、今は楽ですよ。午後の三時ごろまではまア、会社へ出ておりますが、後の時間はもう全部芸術に使っているのですがね。わたしは自分を実業家だなどとは思っちゃいないので、自分は何んだろうと考えると、やはりわたしは芸術家だと自分を思いますね。実業よりも芸術に専心しているときの方が、わたしの性分かもしれぬが、気持ちが美しくなって一番真面目になれますからね。