Japanische Klassiker mit Furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme
実際、世界でまだ誰もが片附けかねてよたよたしている難問のあいだに、どうして論理をそこから見附け出せるか矢代には分らなかった。しかし、それにしても、とにかくこれだけは誰もが一応渡らねばならぬ橋であることは事実だった。
「私は――実は、私もそこを一番知りたいのですよ。」
こう矢代が云ったとき、不意に脱された拍子脱けの形で皆はしんと静まった。
「しかし、あなたはさっき、科学より道徳が上だと仰言ったではありませんか。」久木男爵は別に軽蔑した顔色ではなく、むしろ、矢代の苦渋を早や察した救助の穏かな笑顔だった。
「それはまア、そう私が思うのです。別に私は、弁解をするのじゃありませんが、論理はそこに成り立たないと思うからで、何も論理なんか成り立たなくたって、役に立つところだと見極めを付けたなら、科学のような人間の外部を調べる命令よりも、自分の心という内部の指針を示す道徳の方が上だと思ってしまっても、良いのじゃありませんかね。つまり、少し詭弁を云いますと、道徳が科学より上だと確信することが道徳だと思うのですが。」
「それはやっぱり、詭弁だなア。」と遊部が云った。
「いや、詭弁じゃないよそれは、事実さ。