Japanische Klassiker mit Furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme
の礼でもあった。しかし、それは何んとなく悲鳴にも近い礼だった。
夕食が済んでから会葬者たちは皆帰った。勝手元の方の手伝いなども後片付けを済ませて皆引き上げて行くと、家の中は初めてがらんとして、灯明の光りの似合う静な夜になった。矢代は疲れが一時に襲って来て身体を火鉢の傍で崩し、畳の目に視線を落とした。外国から帰った夜も、彼はここにこうして横になると、同じように畳の目を見詰め、身のあるか無きか分らぬような憂愁を感じたことを思い出したが、今もまたそれと似ている疲れだった。が、ふと彼は、自分の旅の総決算が、この突然な「父の死」というものになったのだと思った。父の自分に対する積りに積った心配が、喜びに変った刹那、忽ちこのような崩れとなって顕われた総決算だった。
――彼はそれをそう思いたくなくとも、否定出来がたいあるものが、否応なく彼にそんなに思わせて来るのだった。
「これでやっと、まア、すみました。」
母は矢代の傍へ力なくよたよたした膝で出て来て呟いた。
「ほんとにあの川奈さん、よくやって下すったわ。」
と幸子も母の後から出て来て云った。皆誰も疲れてしまって最後にほッと洩した言葉がそうだった。