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Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

それはまた静かな勇気でもあったが、絶えずうち上る波の光りにも、そのおのおののぴちぴち鳴り合う呼吸が感じられ、肌身に迫り透って来るのだった。

「僕はね、昨夜も叔父から結婚をすすめられたんだが、どうしようかと思ってね。それとはまた別に、外務省と連絡をつけて、海外版の写真雑誌を出すことにもなっているので、その方を先きにしてから結婚しようかと、昨夜から迷ってるんだよ。どうしたもんだろうね。」塩野は少し突然な調子で矢代に訊ねた。この人にもやはり生活の苦労は襲っているのだと矢代は思った。

「しかし、それはどっちを先にしたって良いのじゃないか。叔父さんのいる以上は。」

「ところが、叔父からはそういつまでも、金を貰っちゃいられないのだよ。」

「しかし、それにしてもさ。」

「ふむ――しかし、結婚するとしても、どうだろう、もう僕は中国と戦争が起りそうな気がするんだが。起らないかね。」

パリにいるとき外務省にいた関係で、塩野は戦争に関しては以来誰より敏感だったのを矢代は思い出した。

「それは分らないが、よし起ったところで、結婚は結婚でまた別だよ。他の観念を混えてこの際、考えるべきじゃないだろう。