Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ひはかがやけり
日は輝けり
宮本 百合子
Lesen Sie 日は輝けり (ひはかがやけり) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 76.445 Zeichen · 152 Bildschirme
大人達も幾分意外だというような顔が、咲二の指の先をながめた。
「術、術でありますよ。術というものは、恐しい利益のあるもんでなあ。ほれね、出ますだろう? なかなかふんだんに出ますわなあ」
咲二は息もつけなかった、婆が鬼のように見えた。こわくてこわくて、済むや否や転びそうになって、逃げ出したまま、永いこと家へ入らなかった。戸棚をあけでもしたら、さっきの婆がまた飛び出して来そうな気がしたのである。
その日一日咲二はどうにかなってしまったようにおとなしかった。壁土を食べるのも見つけられなかった。それ故、家の者達はもう利いたのだと思った。うすうす馬鹿にしていたのがもったいなかったとさえ思わせた。どうにかして、自分の寿命を縮めてもいいから、咲二を人並みにしたいと腐心しているお咲は、天にも昇る心地がした。これでなおってくれれば、何という有難いことだかと、あのきたなく、いくらか臭くもあるらしい婆が神様より尊く思えた。ヤレヤレと心から思った。そしてその晩は、傍に寝ている咲二がうなされて泣き出すのも知らずに熟睡した。自分の体の工合まで、はっきりと引き立ったようにまで感じられたのである。