Japanische Klassiker mit Furigana
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ひはかがやけり
日は輝けり
宮本 百合子
Lesen Sie 日は輝けり (ひはかがやけり) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 76.445 Zeichen · 152 Bildschirme
油障紙を明けると、濁った灯の光に照らされて、脱ぎ散らした草鞋や下駄で一杯になっている土間を越して、多勢が車座になって、酒を飲んでいるのが見えた。
「悪いときに帰って来た!」
庸之助は、つとめて皆の注意を引かないように、隅の方で足を拭くと、そこそこに膳に向った。寒さで好い加減冷えている彼は、冷たい飯を食べると、歯の根が合わないほどになった。頭の下の方が、強直して来るような気さえして、ボッとする酒の香いが、しみじみとこたえた。絶対に禁酒してから、まだ一ト月ともならない彼の味覚は、はっきりその快い酔際の味を覚えている。が、おくびにもそんな気振りは見せなかった。彼等に知られるのが厭で、装うた無頓着さが、彼の態度を忽ち、ぎごちなくした。
カチカチな干物をほごしていると、今まで何も知らないようにしていた仲間の一人が、
「オイ、一杯よかろう?」
と突然猪口をさしつけた。多勢の酔った声が、呑め呑めとわめいた。
「いやいらない」
「まあそんなに意地を張らなくたっていいやな!」
「飲みてえって、顔に書いてあらあ! ハハハハ!」
「ハハハハハハ、偉いよ!」
面白そうに嘲笑う者達を、庸之助は鋭く睨み返した。