Japanische Klassiker mit Furigana
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にほんのでんせつ
日本の伝説
柳田 国男
Lesen Sie 日本の伝説 (にほんのでんせつ) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.931 Zeichen · 207 Bildschirme
東京では向島の吾妻神社の脇にある相生の楠もその一つで、根本から四尺ほどの所が二股に分れていますが、始めは二本の木であったものと思われます。社のいい伝えでは、昔、日本武尊がここで弟橘姫をお祭りになった時、お供え物についた楠のお箸を取って土の上に立て、末代天下泰平ならば、この箸二本とも茂り栄えよと仰せられました。そうすると果してその箸に根がついて、後にはこんな大きな木になったというのであります。この楠の枝を四角にけずったものを、今でも産をする人がいただいて行くそうです。それをお箸にして食事をしていれば、必ずお産が軽いと信じた人が多く、またこの木の葉を煎じて飲むと、疫病をのがれるともいっておりました。(江戸志以下。土俗談語等)
また浅草の観音堂の後にある大公孫樹は、源頼朝がさして行ったお箸から、芽を出して成長したものだといういい伝えもありました。(大日本老樹名木誌。東京市浅草公園)
頼朝のお箸の木は、これ以外にも、まだ関東地方には、そちこちに残っております。
武蔵ではまた土呂の神明様の社の脇の大杉が、源義経の御箸であったと申します。義経は蝦夷地へ渡って行く以前に、一度この村を通って、ここに来て休憩したことがあるのだそうです、そうして静かな見沼の風景を眺めながら昼の食事をしたというのであります。