Japanische Klassiker mit Furigana
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にほんのでんせつ
日本の伝説
柳田 国男
Lesen Sie 日本の伝説 (にほんのでんせつ) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.931 Zeichen · 207 Bildschirme
その雪が今でも降るのだという者があります(南安曇郡誌その他)。しかしこの話なども後になって、少しばかり間違ったのではないかと思う点があります。信州ではこの晩に食物を供えるお箸は、葦の茎をもって必ず一本は長く、一本は短く作ることになっています。これもでんぼ隠しの記念であって、その婆さんはでんぼで且つ跛であったからという人もあるが、所によっては大師様自身が生れつき跛で、それでこの晩村々をまわってあるかれるのに、雪が降るとその足跡が隠れてちょうどよいと喜ばれるといい、「でえしでんぼの跡隠し」という諺もあるそうです(小谷口碑集)。越後の方でも古くから大師講の小豆粥には、栗の枝でこしらえた長し短しのお箸をつけて供えました。耳の遠い者がその箸を耳の穴に当てると、よく聴えるなどともいいました。それからこの晩雪が降ると跡隠しの雪といって、大師が里から里へあるかれる御足の跡を、人に見せぬように隠すのだといい伝えておりました。(越後風俗問状答)
そうするとだんだんに大師が、弘法大師でも智者大師でもなかったことがわかって来ます。今でも山の神様は片足神であるように、思っていた人は日本には多いのであります。