Japanische Klassiker mit Furigana
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にほんのでんせつ
日本の伝説
柳田 国男
Lesen Sie 日本の伝説 (にほんのでんせつ) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.931 Zeichen · 207 Bildschirme
昔安塚の城の殿様杢太という人が、市に遊びに出て、この美しい池の主を見染めました。そうして連れられてとうとう青柳の池にはいって、戻らなかったということで、この杢太殿が、また目一つであったところから、今にこの池の魚類は一方の目に、曇りがあるといい伝えております。(越後国式内神社案内。新潟県中頸城郡櫛池村青柳)
池の主の大蛇は、水の中にばかり住んでいて、へびともまるで違ったおそろしい生き物でありました。そういう物が実際にいたかどうか、今ではたしかなことはもうわからなくなってしまいました。絵などに描く人は、もちろん大蛇を見たことのない者ばかりで、仕方なしにこれを大きな蛇のように描くので、だんだんにそう思う人が多くなりましたが、この大蛇の方は水の底にいて、すべての魚類の主君の如く考えられておりました。片目の杢太殿が池の主に聟入りをして、自分も大蛇になったといえば、魚類はその一門だからだんだんかぶれて、目が一つになろうとしているのだと、想像する人もあったわけであります。
静岡市の北の山間にある鯨の池の主は、長さ九尺の青竜であったといい、または片目の大きなまだら牛であったともいいますが、化けるのですからなんにでもなることが出来るわけです。