Japanische Klassiker mit Furigana
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にほんのでんせつ
日本の伝説
柳田 国男
Lesen Sie 日本の伝説 (にほんのでんせつ) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.931 Zeichen · 207 Bildschirme
の蛇だけはことごとく片目になりました。それで今でも御蛇河内という地名になっているのだといいます。加賀の白山の麓の大杉谷の村でも、赤瀬という一部落だけは、小さな蛇までが皆片目であるといっています。岩屋の観音堂の前の川に、やすなが淵という淵がもとはあって、その主は片目の大蛇であったからということであります。
昔赤瀬の村に住んでいたやす女という者は、すがめのみにくい女であって男に見捨てられ、うらんでこの淵に身を投げて主になった。それが時折り川下の方へ降りて来ると、必ず天気が荒れ、大水が出るといって恐れました。やす女の家は、もと小松の町の、本蓮寺という寺の門徒であったので、この寺の報恩講には今でも人に気付かれずに、やす女が参詣して聴聞のむれの中にまじっている。それだから冬の大雪の中でも、毎年この頃には水が出るのだといい、また雨風の強い日があると、今日は赤瀬のやすなが来そうな日だともいったそうであります。(三州奇談等。石川県能美郡大杉谷村赤瀬)
すがめのみにくい女といい、夫に見捨てられたうらみということは、昔話がもとであろうと思います。同じ話は余りに多く、また方々の土地に伝わっているのであります。