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Japanische Klassiker mit Furigana

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さいまつのしちや

日本の名随筆 別巻18 質屋

山之口 貘

Lesen Sie 日本の名随筆 別巻18 質屋 (さいまつのしちや) von 山之口 貘 (やまのくちばく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.509 Zeichen · 7 Bildschirme

Aozora Bunko

おもいをするようになってしまったのである。

「いい恥さらしですよ。」と女房はいいながら箪笥のひらきから質札をとり出して来た。質種は、女房の御召の単衣物と呂縮緬の羽織である。借りた金は二〇〇〇円で、二十三カ月も前に入質したまま、一度も利子を入れてないのだ。利子はすでに元金の二倍以上にもなっていて四六〇〇円。これを受け出すには、六六〇〇円なのである。こうなるといっそのこと、流した方がさっぱりするとおもわぬでもないのだが、こちらが頼んで結んだところの紳士協定のことや、女房の身になって考えたりしてみると、ぼくだけさっぱりするわけにもいかないのだ。

そこでまた足を運んで、いいわけをするのである。すると、質屋さんが「ではですね、こうしましょうか、一応これは出したことにしておきまして、その質札を書き替えましょうか。」というのだ。しかしそれは、ぼくにとって首をかしげないではいられなかった。つまり、出したことにするということは一応、ぼくが、利子共に六六〇〇円という金を入れたことにするわけなのでありがたいのではあるが、事実は金を入れないのであるから、書き替えることによって、こんどはこれまでの利子共に六六〇〇円を、あらためて借りたことになるからなのだ。