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Japanische Klassiker mit Furigana

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かにのかい

日本の怪談(二)

田中 貢太郎

Lesen Sie 日本の怪談(二) (かにのかい) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 80.664 Zeichen · 171 Bildschirme

Aozora Bunko

大蟹の鋏は其処にもあった。

「わッ」

林田は眼を押えて逃げて往った。為作とお勝は暴漢が逃げてくれたので安心して帰って来た。

「彼の無法者の逃げた容がおかしいじゃないか」

「眼を押えて逃げたのですが、どうかしたのでしょうか」

「枴の端でもあたったろうよ」

「そうでしょうか」

「そうとも、罰じゃよ」

四

翌朝になって為作は、女一人の夜歩きは物騒だから時刻を見はからって迎えに往くと云うことにしてお勝を出し、その後で源吉の守をしながら他家から頼まれてある雨戸をこしらえていた。

為作は庭前の日陰に莚を敷いて其処で仕事をしていた。源吉は為作の傍にいたりいなかったりした。

夕方になって為作が仕事をおいて、夕飯の準備をしていると源吉がひょいと庭前へ来て立った。

「お祖父さん」

為作は囲炉裏の傍にいた。

「おう、源吉か、何処へ往っておった、お祖父さんは探しに往こうと思いよったぞ」

「お諏訪様へ往ってたよ、お祖父さん、今日はお諏訪様が出て来たよ」

「なに、お諏訪様が」

「そうよ、おいらが、お諏訪様の前へ往って、お諏訪様、お諏訪様、いっしょに遊びましょうっていったら、出て来たのだよ」