Japanische Klassiker mit Furigana
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にほんのあきいろ
日本の秋色
宮本 百合子
Lesen Sie 日本の秋色 (にほんのあきいろ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.934 Zeichen · 10 Bildschirme
映画や音楽で、今日の日本の女はそういうエティケットの世界を架空的に自身の空想の中に吸収している。身ぶりの端々にときめく心を目ざまされている。それでいて、日常の現実の間では、誰も彼もがヨーロッパ風の躾をもった青年を自身のまわりに持っているのではないから、一旦、将に生きて体臭をはなって、映画の中にあるように自動車ののり降りに軽く肱を支えてくれる碧眼の男があらわれると、気分が先ず空想の世界へとび入ってしまい、素朴に日本の女の本質的には至って古風な受動性の変形である恍惚境にとけ込んで、計らざる結果になるのではないだろうか。
日本の女の今日の感情の特質は、「夢見る唇」で、ベルクナアが示したような表面の技法で、内実は父権制のもとにある家庭の娘、戸主万能制のもとにある妻、母の、つながれた女の昔ながらの傷心が物を云っているところにある。女の過ちの実に多くが、感情の飢餓から生じている。その点にふれて見れば、女の悲しみに国境なしとさえいえる有様である。
近頃、『新青年』『婦人画報』その他沢山の雑誌が、男のエティケットについて書くことが流行している。そして、実際に、或る種の若い男のひとびとのいつしか身につけている自然な物馴れは、社交性のいやみと違った一つの新時代の社会性として現れて来ている。