Japanische Klassiker mit Furigana
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にほんのずのうしらべ
日本の頭脳調べ
戸坂 潤
Lesen Sie 日本の頭脳調べ (にほんのずのうしらべ) von 戸坂 潤 (とさかじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.191 Zeichen · 20 Bildschirme
父子爵も亦、時代の新しい動きはよく知っているものと私は想像している。
生物学の世界に這入ると、小泉丹博士がいる。坊間では進化学者として有名であるが、専門は微生物学で、慶応大学医学部の豫防医学の教授である。ジャーナリズムを馬鹿にする以上にジャーナリストとしての才能に富んでいる。その筆致は重厚な威容を持っている。単に随筆級の文筆ではない。博士も亦、最も高級な段階に於ける啓蒙家である。だがこの人も亦、思想や哲学というものを毛嫌いする。夫は小倉博士の哲学嫌いとは全く別な意味に於てだ。と云うのは小泉氏によると、科学は思想となることによって科学であることを止めるというのだから。氏の進化学説が、科学的な慎重か公平の名の下に、一向どこに帰結があるか判らないと同様に、氏の思想は一種のニヒリズムを表面に現わしているようだ。なお美学者で土俗学者である小泉鉄氏は博士の令弟である。サムナー・メーンの『古代法律』の訳があったと思う。
奇怪な人物は和歌山県田辺町の南方熊楠氏である。その奇人振りはあまりに有名で、裸かで人に会ったり床の中に這入って人と応対したり、気に入らぬ奴には反吐をかけたり、人間わざでない大酒をあおったり、馬鹿馬鹿しく記憶がよかったり、睡眠は四時間程であったり、甚だ非凡な人物であるが、結局に於て相当常識的な俗物なので