Japanische Klassiker mit Furigana
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あねがわのかっせん
日本合戦譚
菊池 寛
Lesen Sie 日本合戦譚 (あねがわのかっせん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 154.771 Zeichen · 313 Bildschirme
智慧伊豆の謀略をもってしても、今は決戦する丈の道しか残されて居なかった。
十日頃、城中に於て度々太鼓が鳴り響いて舞踊をして歌を歌う者がある。寄手耳を傾けて聴いてみると次の様な文句である。
かゝれ、かゝれ、寄衆もつこてかゝれ、寄衆鉄砲の玉のあらん限りは、
とんとと鳴るは、寄衆の大筒、ならすとみしらしよ、こちの小筒で、
有りがたの利生や、伴天連様の御影で、寄衆の頭を、すんと切利支丹。
十一日、寄手は、地下より角道を掘って城際に到ろうと試みると、城の方でも地下道を掘って来る始末である。日暮れた頃、城中三の丸辺から火が挙がるのを寄手見て失火であろうと推測したが、豈計らんや生木生草を焼いて、寄手の地下道をくすべて居たのであった。
其後、この地下道へ、糞尿を流し込んで、寄手をして辟易せしめたりした。楠流の防戦ぶりには信綱以下大いに困却したに相違ない。信綱は止むなく城中を探ろうと、西下途次、近江甲賀から連れて来た忍びの者達に、探らしめたが、城内の者は皆切利支丹の文句を口にするので、一向心得のない忍びの者達は、城中にまぎれ住む事が出来ない。これも亦失敗であった。
さて籠城軍も、寄手の持久の策に困惑して来た。