Japanische Klassiker mit Furigana
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あねがわのかっせん
日本合戦譚
菊池 寛
Lesen Sie 日本合戦譚 (あねがわのかっせん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 154.771 Zeichen · 313 Bildschirme
しかし一塁を抜いたと思うとすぐ奪還される始末なので、こちらにも、塹壕、胸壁が必要であるとて、工兵が弾雨の間を作業した。薩軍の塁に近いのは僅かに二十六米、遠いのでも百米を下らない距離で、作業の困難は一通りでない。射撃の手を少し休めると、忽ち抜刀の一隊が押し寄せた。此夜、折角得た船底の塁もまた奪い去られた。終日の発砲で、銃身が皆熱したので、中には小便をかけて冷したりして用いたが、それでも破裂するものがあった。
八日から十一日まで、戦闘は相変らず激しいが、戦況は依然たるままであった。何時までも、このままでは熊本城は危い。官軍は連日の戦闘で、部署が錯雑して陣形が乱れて居るので、改めて陣容を建なおした。三浦少将の第三旅団は山鹿口を、大山巖少将の第二旅団と別働隊、野津少将の第一旅団は田原口を夫々攻撃することになり、参軍山県中将も本営を高瀬に進めた。十四日の午前六時、号砲三発山に木魂すると共に、官軍の先鋒は二俣口望んで、喊声を挙げる。歩兵に左右を衛られた中央部隊は、暁暗に白く大刀をひらめかして居る。これが、警視庁から派遣されて居た巡査をもって編成した抜刀隊で、この抜刀隊の肉弾戦が、田原坂攻略に大きな役割を果したのであった。