Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にほんふどうき

日本婦道記

山本 周五郎

Lesen Sie 日本婦道記 (にほんふどうき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.286 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

……そのお姑さまが亡くなって、ひとりあるきしなければならなくなったときは、どんなに悲しく、心細かったことでしょう、しばらくのあいだはまったく途方にくれてしまいました。そしてこれではならないと立直ったとき、わたくしはこういうことを考えました。それは、老職の家の妻として恥ずかしからぬよう、またとかく狭量になりやすい女の気持をひろくするため、なにかひとつ教養として芸を身につけたいということです、わたくしは良人のゆるしを得て茶の湯をはじめました」

かな女はそこで言葉をきった、そしてそっと眼を伏せ、ややながいことなにか思い出す風だったが、やがてまたしずかに話をつづけた。

「自分の口からこう云っては、さぞさかしらに聞えることでしょうけれど、わたくしは茶の湯の稽古でたいそう才を認められました、傍輩の噂にもなりお師匠さまからも折紙をつけられるというところまでいったのです。そのとき、わたくしは茶の湯をやめました」

「…………」

加代はじっと姑を見あげた。

「良人も惜しんでくれました、しりびとのたれかれもしきりに続けるようにすすめてくれました、けれどもわたくしはそのときかぎりやめて、つぎに宝生流の笛のお稽古をはじめたのです。