Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にほんふどうき

日本婦道記

山本 周五郎

Lesen Sie 日本婦道記 (にほんふどうき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.547 Zeichen · 23 Bildschirme

Aozora Bunko

こうしてさらに年月が経ち、安之助は十八歳の春を迎えた。そしてある夜のこと、かれはめずらしくかたちをただして母親の前に坐った。

「母上お願いがございます」

ひどく思いつめた眼つきだったので、なにを云いだすかと思っていると、自分もたつきを助けるために働きたいというのであった。

「わたくしも十八歳です、男いちにんまえの稼ぎはできなくとも、母子ふたりの口をすごすくらいはどうにかなると存じます、どうぞ働きにやって下さいまし」

「おやめなさい、そんなことは聞きたくありません」

「いいえ申します、母上にはお世話になりすぎています。修業ちゅうのからだゆえ今日まではおなさけに甘えておりました、けれどもう充分です、これ以上母上にご苦労をかけることはできません、わたくしが代ります、どうか母上はもう賃仕事などおやめになって下さい、お願いですから安之助に代らせて下さいまし」

「あなたは考えちがいをしています」

みよはしずかにさえぎって云った、

「母が働いてきたのはあなたをりっぱに成人させたいためにはちがいありません、けれどそれさえはたせば役が済むというわけではないのです」

「そのお言葉は安之助にはわかりません」