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Japanische Klassiker mit Furigana

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にほんふどうき

日本婦道記

山本 周五郎

Lesen Sie 日本婦道記 (にほんふどうき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.678 Zeichen · 17 Bildschirme

Aozora Bunko

のひとりになると存じます、……御国のためにはいまひとりでも多く、身命を惜しまぬもののふが必要なときでございます」

凍てた道の上に坐って、面を掩って泣いていた青年の姿がまざまざと眼にうかぶ、あの涙だけは偽りではない、幸子にはそれが痛いほどもよくわかっていた。

「そのおなじ気持を」と太宰はさらに追求した、「……おなじ気持をこの家へ来る客たちに向けることはできないか、みんな家郷を棄て親兄弟を棄てて国事に身を捧げる人々だ、名も求めず栄達も望まず、王政復古の大業のために骨身を削る人々だ。できない事なら仕方がないが、幸いこの家にはそこばくの資産がある、たち寄る人々に、せめて心を慰めるだけの接待をするのは寧ろわれわれのつとめではないか、……ここへ来ると百日の労苦を忘れる、あの人々がそう云うのを聞いた筈だ、鹿島に恵むその気持があるなら、どうしてこれまでどおりの接待ができないのか」

「わたくし、……できるだけ致しているつもりでございますけれど、ふつつか者でございますから……」

「言葉をくるんではいけない」太宰はするどく遮った、「……もうおまえもつずやはたちの若さではないんだ、云うべきことははっきり云うがいい、それに依ってはおれにも少し考えがある、今夜こそ本心を聞くぞ」