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Japanische Klassiker mit Furigana

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にほんたんていしょうせつかいすんぴょう

日本探偵小説界寸評

国枝 史郎

Lesen Sie 日本探偵小説界寸評 (にほんたんていしょうせつかいすんぴょう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.856 Zeichen · 12 Bildschirme

Aozora Bunko

文壇擦の毫も無い、謙遜温雅な態度の中に、一脈鬱々たる覇気があって、人をして容易に狎れしめないのは、長袖者流でないからである。

「二銭銅貨」を提げて、探偵小説創作界へ、突如として姿を現わしたのが、他ならぬ江戸川乱歩氏である。トリックを二重に使った所が、この作の最も面白い点で、それに過大に引っかかったのが小酒井不木氏だから更に面白い。その結果最上級の讃辞なるものが、小酒井氏によって呈供され、忽ち乱歩氏は斯界に於ける第一人者に押し上されて了った。また多幸なりというべきである。この意味に於て「二銭銅貨」は、処女作であると共に出世作であり、通用価値は二銭でも、どうしてどうして粗末にはならない。千金ぐらいに当ろうもしれぬ。よろしく財布の底の方へ大切に仕舞って置く必要がある。「心理試験」も有名ではあるが、既にポワロの作があり、それに本来心理試験なるものが、犯人捜索の手段として、指紋ほどには必要性が無く、探偵小説の材料にするには、多少力弱い難がある。それにもかかわらずその心理試験を、無雑作に肯定してかかった所に、この創作の不用意さがある。心理の推移解剖が、常識圏内から出られなかったのも、この作の欠点の一つであろう。