Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
にほんたんていしょうせつかいすんぴょう
日本探偵小説界寸評
国枝 史郎
Lesen Sie 日本探偵小説界寸評 (にほんたんていしょうせつかいすんぴょう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.856 Zeichen · 12 Bildschirme
二
また「D坂の殺人事件」に於て、変態性欲者を二人まで出して、紛糾した事件を片付けたのは、よく云えば利口であり悪く云えば狡猾である。アブノーマルの人間を、探偵小説の舞台へ出したら、どんな怪奇でもどんな不思議でも、きわめて楽々と作ることが出来る、その代り作の感銘が稀薄になるの嫌いがある。聞けば同氏は職業を捨て、探偵小説の創作に、専心努力する決心だという。「探偵小説趣味の会」も、氏の事業の一つだそうな。情味豊な其文章、行き届いた描写の筆、これは既に定評あるもの、関西式ぞんざいの其中に、一味沈鬱をまじえたような、氏の性格は面白い。
二
エレガントといっても可いような、その立派な容貌風采、十数年の昔ではあるが、松本泰氏と会った時には、威圧をさえ感じたものである。永い海外滞在を終え、帰朝する早々にして「呪いの家」「三つの指紋」二冊の単行本を出版し、しかも更に矢継早に「秘密探偵雑誌」を発行してこの方面の開拓に従事し、自己の立場を明かにしたのは洵に眼覚しいものであった。同氏は既に洋行前の慶応出身の創作家として、細身で典雅な文章と緻密自然の観察とを以て、文壇に或る位置を占めていたのに、その過去の栄光を捨て、探偵小説創作界に、新しく鋤を打ち込んだのには、強い決心がなければならない。