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Japanische Klassiker mit Furigana

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にほんせいしんしけんきゅう

日本精神史研究

和辻 哲郎

Lesen Sie 日本精神史研究 (にほんせいしんしけんきゅう) von 和辻 哲郎 (わつじてつろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 208.277 Zeichen · 415 Bildschirme

Aozora Bunko

ここに言葉の使用法における新しい境地が開ける。『万葉』の歌人において単に具象的な、限定された意味をのみ持っていた言葉が、ここでは連想によって、広い、さまざまの意味と情緒とを指示する言葉に押しひろげられる。たとえば露、雨、というごとき言葉を取って見ると、『万葉』においては、

わがやどの尾花押し靡べ置く露に手触れ吾妹子ちらまくも見む  (巻十、秋雑)

わが背子に恋ひてすべなみ春雨の降るわきしらにいでてこしかも  (巻十、春相聞)

というふうに、単純に露であり雨である。たまたま涙に関連させられた場合にも、

ひさかたの雨には着ぬを怪しくもわが袖は干るときなきか  (巻七、譬喩歌)

のごとく、雨を直ちに涙の意味に使うのではない。雨の日に着ぬのに濡れているのである。しかるに『古今』においては、もとより単純に露であり雨である場合も多いが、しかし「袖の露」、「露の命」、「涙の雨」というふうな使い方はすでにもう始まっている。

秋ならでおく白露はねざめする我が手枕のしづくなりけり  (恋五、読人不知)

夢路にも露や置くらむ夜もすがら通へる袖のひぢて乾かぬ  (恋二、貫之)

わが袖にまだき時雨の降りぬるは君が心に秋や来ぬらむ  (恋五、読人不知)