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Japanische Klassiker mit Furigana

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にっき・しょかん

日記・書簡

宮本 百合子

Lesen Sie 日記・書簡 (にっき・しょかん) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.385 Zeichen · 15 Bildschirme

Aozora Bunko

真実のみに人は動かされる。より真なるもの、よき真ならんと努力する者の心を視た時、人は僅かな解怠心をも恥じずには居られないのだ。

自分は甘い落付きを厭う。それを厭う自分である事を自覚することによって第二の甘さに堕そうとする。恐ろしいことではないか、自分の此から書こうとする黄銅時代は、更に甦り、強められた自責の念と、謙譲な虚心とによって書かれなければならないのだ。

四月二十八日

今日、福井の方から転送されて来た国男の手紙を見る。

仮令感傷的だと云う点で非難はされるとしても、彼が深夜、孤り胸を満す寂寥に堪えかねて書いた文字は、自分を動かさずには置かない。心から心へと響いて来るのだ。

自分は、自分の愛する者を一人をも、真に幸福に仕てやる力は持たないのだ。小さい、小さい箇人の力――自分は彼を思うと、陽気に自分の幸福を讚美したり、楽しさに有頂天に成っては居られない心持に成って来る。私が、何としても、自分が健康で、活気に満ちて、生活に対する意力を感じて居るのは事実である。その明快な自分を傍観する彼は、如何に私が幸福だからと云って、自分をも亦幸福にする事は出来ないのだ。