Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にっき

日記

宮本 百合子

Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 13.809 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

な心持で……。

私はこんなに急にふびんがる、心がどうして起ったのかと思われた、そしてひろいものをしたようにうれしかったけれどもこれも一日ごと、一時間ごとに変って動いて行く、二日とつづいて同じきもちのして居た事のない私の気持だと思うと又悲しいような気にもなった。

私は花をきりピヤノにつやぶきんをかけ、ダンテの半身像をみがいて手を洗い、かおをあらって出まどのわきにクッションを敷いて坐って他人の事でもあるように

「どうして私の心は一日ごとに一時間ごとにこう違うんだろう?」

と考えた。うすい木の棚からシみ出るニスの香を鼻の奥でかぎながらどうしてもわからせてしまわなければならない、と思って考えてた。一時間、もそうやって居た、けども分らなかった。

「自分のもので居ながらどうして自分で分らないんだろう」

私は自分がいかにも無智な草木よりも、五寸位ほかはなれて居ないもののように思われて来た。

「我ままで?」

「気まぐれで?」

「生意気で?」

数々ならべたてて目ろくのようにしても私の心の深いところにひそんで居るものは「ウン」と合点してくれなかった。

「可哀そうな子だネーお前はー、自分の心が自分でわからないでサァ」