Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.172 Zeichen · 36 Bildschirme
次へ、次へ、次へと、妹が三人、その次へ弟が二人、また妹が一人と、妹弟が増えて、七人となったが、丁度、二人ばかり妹が出来た時分のこと、コンデンスミルクを次の妹に解いてやったり、その次の子が、母親の膝の上で、大きな乳房を独りで占領して、あいている方の乳房まで、小さな掌で押えているのを見ると、あたしは涎を流して羨ましそうに眺めていたという。
二歳ぐらいの時だったのであろう、釣洋燈がどうしたことでか蚊帳の上に落ちて、燃えあがったなかに、あたしは眠っていたので、てっきり焼け死んだか、でなければ大火傷をしたであろうと、誰も咄嗟に思ったそうだが、気転のきいたものが、燃えている蚊帳の裾から、ふとんごと引出すと、そんな騒ぎはすこしも知らずに、そのまま眠りつづけていたので、運の好い子だといわれたときいた。
あたしの眼に、居廻りの家並などが、はっきり印象されるようになった時分の、小伝馬町、大伝馬町、人形町通り、大門通りといった町は、黒い蔵ばかり、田舎とちがって白壁の土蔵は、荷蔵くらいなもので、それも腰の方は黒くぬってあって、店蔵も住居の蔵も、黒くぴかぴか光った壁であった。