Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.172 Zeichen · 36 Bildschirme
間違った思慮は一分時で、悔いは終生だ、子供に済まない――
あたしは、それを読んでやっぱり父だったと嬉しく思った。誰のことも、そのよってきた道程もいわない、すべてをみんな自分で背負おうとしているのに、あたしは父を見た。よし、あたしは、この後自分のゆるさぬ曲がったことを一分もすまい、潔癖すぎて困るほど清廉に生きて、父のあやまちは性分ではなく、弱さから負った過失だ。自己の罪として受けた心根を知るあたしだけが、銭を愛さず、事志とちがった父の汚名を、心だけで濯ごうと思いをかためた。
で、読み、書くために自立しようとして来たそれまでの志望を曲げて、まず、人間修業から出直しすることにした。独立するまで、二度は帰るまいと立ち出た実家へ帰って、病をやしない、すこし快くなると釜石鉱山へ行った。そこで三年もすごせば勘当息子の帰参が叶うという約束のもとに行ったのだ。そのあとであたしはあたしの道へ出ようと思った。鉱山所長の横山氏夫妻が、その息子一人では預かれぬと言ったから、行ってもらいたいというのが、先方の両親の願いだった。
事件の最中で、心弱くなっていた父は、病みやつれたあたしを上野駅まで見送ってくれて、二度とやりたくないのだがと呟いていた。