Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はやみみさんじとりものききがき

早耳三次捕物聞書

林 不忘

Lesen Sie 早耳三次捕物聞書 (はやみみさんじとりものききがき) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.640 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

自暴自棄な年若の大之進が腕ができるにしたがい人斬り病に罹ったのも、狂人に刃物の喩え、無理からぬ次第であったとも言える。人が斬りたいばかりに天狗へ走った大之進も理窟が嫌いなところからまた江戸へ舞い戻ってみると、天下は浪人の天下、攘夷の冥加金を名として斬奪群盗が横行している始末に、大之進つくづく考えると徳川三百年の余命幾何とも思われない。なんらかの形で近く御治世に変革があるものと観なければならないが、そうなった暁先立つものは商法の金子であろう。その資金の調達には夜盗が一番捷径だが、押込みの方は浪士が隊を組んでいるから自分は一つ単独行動に辻斬と出かけてやれ、それも盗賊改めが厳しいので、駕籠でも担いで夜の街を歩きまわり、斬る時だけ侍の服装をして疑いを浪人の群へ嫁し、己れは下素の駕籠屋になりきって行こうと思いついた。そこで四手駕籠の前棒に細工をして一貫子近江守の一刀を抜身のままで填め込み、侍支度を小さな風呂敷包にして棒根へくくりつけ、誓願寺裏へ駕籠を置きざりにしておいては蜻蛉の辰を後棒にして、侍になったり駕籠かきに返ったり、電光石火の早変り、袈裟がけの覚えの一太刀に江戸の町を荒し廻っているのだった。