Japanische Klassiker mit Furigana
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プラットフォーム
昇降場
広津 柳浪
Lesen Sie 昇降場 (プラットフォーム) von 広津 柳浪 (ひろつりゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.774 Zeichen · 10 Bildschirme
死ぬのが商売の軍人さんじゃないか。何も人の子まで連れてって、無理に殺さないだって可いわ。何の為か知らないけれども、能くマア殺しに行くわねえ。』と、頬には冷かな笑みがまた見えるのでした。
無論大きな声ではなかったが、私達には能く聞えたから、覚えず若子さんと顔を見合せて居ました。
『……名誉も義務も軍人なればこそよ。軍人なきゃ何でもない。私の兄さんなんか、国の為に死ななきゃならない義理は無いわ、ほほ、死ぬのが名誉だッて。』
其方の声がぴたと止まったら、何なすったかと思って見ると、彼の可厭な学生が其の顔を凝乎と見て居るのでした。
『あらッ、また来てよ。』
若子さんと私が異口同音に斯う云って、云合せた様に其処を去ろうとしますと、先刻入口の処で見掛けた彼の可哀相な女の人が、其処に来合せたのでした。私は憎い人と可愛い人が、其処に集ってる様な気がして居ました。
『あらッ、プラットフォームに入れてよ。彼様に人が入ってよ。美子さん早く入らッしゃい。』
若子さんも私も駆出してプラットフォームへ入ったのでした。此処とても直きに一杯の人になって了ったし、汽車がもう着くかもう着くかと、其方にばかし気を奪られて、彼の二三人の人の事は拭った様に忘れて居ました。