Japanische Klassiker mit Furigana
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プラットフォーム
昇降場
広津 柳浪
Lesen Sie 昇降場 (プラットフォーム) von 広津 柳浪 (ひろつりゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.774 Zeichen · 10 Bildschirme
私何様思いをしても、阿母や此児に餓じい目を見せる事でねえから、安心して行きなさるが可えよ。』
良人の其人も目は泣きながら、嬉しそうに首肯かれたのでした。『乃公はもう何んにも思い置く事はねえよ。村に帰ったら、皆さんへ宜敷く云って呉れるがいい。』
『ああ、能う御座えますよ。』
二人はもう何も云う事がなくなった様に、互に顔を見てお居ででしたが、女の人は急に思出した様に、抱いて居た赤さんの顔を夫へお見せでして、『此子はお前さんの顔を覚えられねえけんど、お前さんは此子の顔を能く覚えて、戦死しても忘れねえで下せえよ。それが此子への……。』
親御の二人よりかも、傍の一同が泣いて了いました。
途端にもう汽車は出るのでした。直ぐ出ました。看々うちに遠くなって、後は万歳の声ばかり。
私も悲しかったの若子さんに劣らなかったでしょう。二人とも唯だ夢心地に佇んで居ました。
『心にもない事を云うわね、彼女は。』
子を抱いた女の彼の可哀相な人が悄然として、お帰りの後から斯う声を掛けて、彼女の方がまた睨んで御居ででした。
『あの、貴方。』と、うッて変った優しい御声は、洋服を召した気高い貴婦人が其処に来掛って、あの可哀相な女の人をお呼止めになったのでした。