Japanische Klassiker mit Furigana
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あかるきせかいへ
明るき世界へ
小川 未明
Lesen Sie 明るき世界へ (あかるきせかいへ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.747 Zeichen · 16 Bildschirme
こうして、一本の木の芽は、この世界に出たが、見るもの、聞くものに心を脅かされたのであります。みんなの希望まで、自分の生命の中に宿して、大空に高く枝を拡げて、幾万となく群がった葉の一つ一つに日光を浴びなければならないと思いましたが、それはまだ遠いことでありました。
最初、この木の芽の生えたのを見つけたものは、空を渡る雲でありました。けれど、ものぐさな無口な雲は、見ぬふりをして、その頭の上を悠々と過ぎてゆきました。
木の芽は、鳥をいちばんおそれていたのです。それは、代々からの神経に伝わっている本能的のおそれのようにも思われました。あのいい音色で歌う鳥は、姿もまた美しいには相違ないけれど、みずみずしい木の芽を見つけると、きっと、それをくちばしでつついて、食い切ってしまうからです。そのくせ、鳥は木が大きくなってしげったあかつきには、かってにその枝に巣を造ったり、また夜になると宿ることなどがありました。そんなことを予覚しているような木の芽は、小鳥に自分の姿を見いだされないように、なるたけ石の蔭や、草の蔭に隠れるようにしていました。
口やかましい、そして、そそっかしい風が、つぎに木の芽を見つけました。