Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
Lesen Sie 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.755 Zeichen · 62 Bildschirme
生れたときから十一二まで乳母として附きそってくれた杉山シノブという老女が公爵家での新婚生活を案じて婚家へついてきてくれた。それが脅迫の秘密をうちあけた唯一の相談相手で、お金を渡す使者の役目も果してくれるのだが、二千円の金策では例外なく苦労がつきまとい、いつも二人の胸をいためる問題だった。
いっそ全部一まとめに売ってくれさえすれば、十万円でも二十万円でも構わない。一時の恥をしのんで生母にすがる勇気があれば、金額の多少なぞはさしたる問題ではなかろう。この方がむしろ苦痛を早めに救う策と思われたから、その旨を周信にたびたび提案した手紙を送ったが、周信はその提案をうけつけてくれなかった。一とまとめでは味もタノシミもないし、第一、全部一とまとめに渡すとなると、とかく善人どもという奴、策をかまえて、手紙の束をまきあげておいて引き換えの金をくれないことが起りがちだが、一束そっくりまきあげられて残りの証拠がないから、もうインネンがつけられない。左様なわけで、まアせいぜい一通ずつ末長くオツキアイ致しましょう、というような憎らしい返事であった。
この秘密を人にうちあけることができるなら、すべての人々に打ちあけて救いを乞いたいような気持であった。