Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

Lesen Sie 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.354 Zeichen · 49 Bildschirme

Aozora Bunko

「ア!」

芳男は叫んだ。

「まったく、その通りでございます。私はもう一昨夜来、亢奮、逆上して何もわけがわからなくなっておりましたが、たしかに、あの晩、タバコ入れをたずさえて土蔵へ参る筈はございません。今、ハッキリと思いだしました」

新十郎はニッコリうなずいた。

「お前はタバコ入れを土蔵へ持ってあがろうと思ったって、持ってあがるわけにいかなかったのさ。その時はタバコ入れはお前の部屋から消えていたよ。チャンと犯人のフトコロにおさめられていたよ。犯人はお前のタバコ入れをフトコロに、八時に当家をでた。いったん金本へいったが、前座がつまらないことを喋っている。しばらく場内をブラブラ油をうったりしてから、タマには前座からきいてみようと思ったが、これじゃア我慢がならねえ、寄席てえものは前座からきくもんじゃアねえや、ちょッと縁日をぶらついて、又くるぜ、と云って、顔ナジミの下足番に下駄をださせて、外へでた。土蔵の裏のゴミ箱へあがり、塀に手をかけて、なんなく主家へ忍びこんだ。下駄をフトロコに、ぬき足さし足庭をよぎり、土蔵へ忍びこみ、中の気配を見すまして、ヒキ戸をあけて、藤兵衛の居間の隣室へ身をひそめた。